モーラの等拍性を保ったまま、モーラの境界に切れ目を立てて、1つ1つのモーラを閉じさせる。「あたらしい」を「あ・たらしい」と切ると、「あ」は次の子音を先取りして /at/ になる。モーラの数も音価の配分も変わらないまま、日本語には無いはずの閉じた音節が生まれる。
シラブル化と対をなす。畳むのがシラブル化、閉じるのが半シラブル化である。
| 単位に起きること | メロディ | |
|---|---|---|
| シラブル化 | 2モーラが1つの重音節へ畳まれる | 1音価に乗る |
| 半シラブル化 | 1モーラがその位置のまま閉じる | 1音価1モーラが保たれる |
等拍性が壊れて2モーラが1音へ畳まれたなら、それはシラブル化であって半シラブル化ではない。同じ譜割の上で両者は両立しない。
手段
初出(2014年の宇多田ヒカル論)が挙げた3つ。
- 単純な母音の発音を強調し、その前後のモーラを分ける
- 特定の子音の直前に自然に生じる切れ目を強調し、その前後のモーラを分ける
- な行・ま行の直前に撥音「ん」を挿入し、その前後のモーラを分ける
2 が gemination(子音重複化)にあたる。1 と 3 はあたらない。gemination は半シラブル化の手段の1つであって、同義ではない。
英語で書くときの注意
semi-syllabification は標準用語ではない。近い綴りの semi-syllable は minor syllable(弱音節)を指すことがあり、向きが逆になる。半シラブル化はモーラを軽くするのではなく、閉じて重くする。
シラブル化と同じく、厳密に「起きている」わけではない。指向を指す語である。